路面店の売上予測は難しい・・・

皆さん、店舗を出店する際に、どうやって売上予測を立てていますか?色々と調査を行うとは思いますが、最終的には過去の経験や勘で出店を決めているのではないかと思います。チェーン店なら、本格的な売上予測システムが揃っていると思いますが、それでも予測どおりの売上になるとは限らないでしょう。
商業施設内の店舗は売上のブレが少ない

「どの商業施設に行っても、同じようなテナントの顔ぶれ…」。そんな事から「金太郎飴」と揶揄されることも多い商業施設。しかし悪い事ばかりではありません。商業施設では、テナントがデベロッパー(貸主)に売上を報告する義務があり、テナント同士がお互いの売上を知る機会もあります。そのため、例えばあなたが飲食店のオーナーだとしたら、商業施設に2号店、3号店と出店していくうちに、全国チェーンの「ハンバーガーショップ」や「讃岐うどん店」などと比べて「ウチの売上は、あのチェーンの8掛けぐらいだな」などと分かってきます。商業施設は良くも悪くも閉鎖商圏です。どんなに人気の飲食店でも、そこで食事をする為だけにわざわざ来館されるお客様は多くありませんし、逆に、例えば館内にラーメン店が1店舗しかなければ、あまり名が知られていない店だとしても一定の売上を確保できるものです。新規出店を検討するにあたり、その施設に出店しているチェーン店の売上を知る事ができれば、それだけで、おおよその売上予測が立てられるんです。
しかも競合が少ない
一般の不動産物件の場合、立地の良し悪しだけで売上の予測はできません。なぜなら、そのエリアにある同業店の数を考慮に入れる必要があるからです。また、その時点で無いとしても、あなたの店がオープンした半年後にライバル店が近くにオープンする可能性だってあります。一方、商業施設の場合は、売上に大きな影響を与えるような同業店が、後からオープンするというケースは少ないため、前述のようにあまり名が知られていないラーメン店であっても、比較的安定した売上が見込めるんです。商業施設は、同じ施設の中に同業店を複数入居させる事は一般的ではないからです。
歩合賃料なのも魅力のひとつ
オープン後、すぐに目標の売上に達するとは限りません。固定客がつくまで、しばらく時間が掛かるでしょう。また、売上が軌道に乗っても、自然災害や経済危機など、外的要因により売上が低迷する可能性もあります。商業施設の賃料は多くの場合、固定賃料ではなく「歩合賃料」です。そのため、売上に応じて賃料もスライドする事から、比較的安定した経営を続けられる仕組みになっています。
まとめ

お店の出店には大きな投資が掛かります。特に初めての出店であれば失敗は許されません。一般の不動産物件に出店する場合、お店が繁盛するかどうかなど、大家さんや不動産屋さんに聞いたところであまり参考になりません。しかし商業施設の場合、担当者はその施設についてはもちろんのこと、周辺マーケットにも詳しい事が多く、あなたが出店したいお店のコンセプトを伝えて、アドバイスを受ける事も出来るでしょう。物件を紹介されたら、自分自身で判断するだけでなく、デベロッパー(貸主)の担当者と積極的に面談の場を設けて助言を受けるようにしましょう。